元就奪還!伊達戦
青い空、青い海!
何処までも広がる砂浜、響く野朗共の歓声!!
佇む重機の数々!!!
本日は長曾我部軍の恒例行事、重機一斉お掃除の日であった。
整備は定期的に行っているものの、細部の清掃までは手をつけていない様子。
季節が変わる毎にそれは行われているらしい・・・
「迷うなぁ~、滅騎なの、木騎なの、どっちが好きなの~~~♪」
どっちも好き~~★と謎の歌を唄いながら、兵器の足に頬ずりをする。
まさにフヌケ!と言われんばかしに頬を緩めまくっている元親は
背後のどす黒く禍々しいオーラに一切気付かず、一心不乱に、この日のためだけに自らの手で縫った雑巾で
愛しい愛しい、目に入れても痛くないどころかちょっと気持ちいい・・・くらいの大事な仁王車を磨いていた。
傍らで、ペットのオウム(サユリさん・性別不明)が「イナカモンガヨォ!」と騒いでいる。
面白くないのが元就である。
急に「今日はすげー事するんだぜ!」と嫌々出てきてみれば
どうでもいいでかい物体が砂浜に鎮座しまくり、それに野朗共が群がって埃をはたいているだけ。
しかも、いつもは自分にベタベタの元親も、この日だけは自分を無視してこの物体に夢中ではないか。
(面白くない・・・)
元就の眉間に皺が寄る。
「・・・・・・・」
普段なら、自分がこのような表情をしていたら、自分の知っている元親なら
「どした?」とにこやかに笑いかけたり、どうにか機嫌を直そうと四苦八苦してくれるはずなのだが・・・
「あーーーー、本多忠勝欲しいなぁ・・・何処に売ってんだろアレ」
「・・・つまらん。
何が滅騎だ木騎だ。そなたなど末期になってしまえ」
そう呟いて元就は黙ってその場を離れた。
勿論、その言葉も鬼の耳には入っていない。
「小十郎・・・楽しくねぇな・・・」
何故か奥州の王こと独眼竜伊達政宗様は砂浜で山を作りながら口を尖らせている。
山の頂点に先ほど調達した木の棒を差し、棒を倒さないように山を崩していく。
「Nextは小十郎だ」
「何回、それをやれば気が済むのですか」
ため息をつきながらも、律儀に小十郎も山を崩していく。
「seaってのはもっと楽しい所って聞いたんだぜ?」
「だから季節はずれなんですって」
何回かそれを繰り返すと、安定を失った棒がパタリと倒れた。
「・・・小十郎のloseだ」
「満足しましたか?では帰りましょう」
「嫌だ」
ああ、本当にこの方は!
頭を掻き毟りそうになりながら、再びつまらなさそうな顔で山を作り直す主を
さすがに諌めようとした瞬間・・・
「・・・?」
視界に何か、緑のものが入った。
まずはここまでorz
会ってすらいねぇ・・・。
筆頭は海で遊びたかったんですよ。問題は季節が冬だったのが原因で。